2019.06.21

日本で一番売れたアメ車

CHEVROLET ASTRO/GMC SAFARI

シボレー・アストロ/GMCサファリ
製造年(モデルイヤー):1985~2005y

近年のジープ・ラングラー、1990年代のジープ・チェロキー(XJ)、歴代のフォード・エクスプローラーを始め、ハマーH2、クライスラー300C、キャデラック・エスカレード、リンカーン・ナビゲーター、それから定番のシボレー・コルベット、カマロ、フォード・マスタング、ダッジ・チャレンジャーなど、人気のアメ車は数あれど、単一車種の日本国内での販売台数を考えた場合、1990年代~2000年代前半のシボレー・アストロ/GMCサファリを凌駕するアメ車は今に至るまで現れていない。

シボレー・アストロ/GMCサファリは1985年モデルでデビューした。当時、すでにクライスラーのミニバンが発売され、アメリカ本国では大ヒットしていた。確かにプリマス・ボイジャー/ダッジ・キャラバンも日本に輸入され、ファンも付いた。ただ、それよりも圧倒的に多くのアストロ/サファリが日本にやってきた。

日本にミニバンというコンセプトを最初に持ち込んだのは1990年のトヨタ・エスティマ。その後、91年にはバネットセレナ、92年にはエスティマルシーダ/エスティマエミーナ、93年にはラルゴ、94年にはオデッセイと、次々と国産ミニバンが発売された。それらのどれもがかなり大きな話題を振りまいた。一方でそれらとは別の流れとして、着実に輸入台数が増えていたのがアストロだったのである。アストロは、先の国産ミニバンたちとは重ならないターゲットを捕まえたのだ。

アストロが話題になった理由のひとつに、ハイルーフコンバージョンの存在があった。本来のアストロ自体はこのページに並べた写真のように実用本位のバンなのだが、アメリカでは室内が空っぽのバンに豪華な内装や装備を取り付けて売る架装メーカーが多数存在した。レインボースター、スタークラフト、ティアラ、エクスプローラーなどが日本でも人気が高かった。そのような豪華な内装が売りなので、国産ミニバンよりも価格は高かったが、それ以上に価値あるクルマとして受け入れられたのだった。

そうして一度人気に火が付いたアストロは、架装を施していない素のものも含めて、ありとあらゆるバリエーションが輸入されるようになった。一方アメリカ本国では、アストロは日本で言う「ライトバン」のようなもので、日本人のような用途で使うのはひと回り大きなフルサイズバンが圧倒的に多かった。それで、日本でのコンバージョン需要が一段落した2000年ごろになると、そろそろアストロも生産終了かと言われるようになった。


■アメ車マガジン 2018年3月号 掲載記事より抜粋

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