2019.11.11

メルセデス・ベンツ450SLCは優雅で端正なスタイリングで今も人気

1977y Mercedes-Benz 450SLC


もう一度乗りたいドイツの“絶版名車”

初代Sクラス(W116)にはクーペモデルが存在しなかったため、3代目SLクラス(R107)のホイールベースを36センチ延長して5人乗りのクーペに仕上げたのがSLCである。450SLCに搭載されるエンジンは4.5ℓのV8SOHCで、最高出力は225ps。マニアを中心に根強い人気を誇る名車である。

クラシックカーのイベントに行くと希少なヴィンテージカーたちに目を奪われてしまうが、実際に購入して維持していくのは難しい。ファーストカーとして使うのは現実的ではないから保管場所が必要になるし、維持費だってそれなりにかかる。完全に趣味として割り切れるだけの環境が必要になるのだ。

だがヴィンテージ系よりも“ちょっとだけ新しい”ネオクラ系ドイツ車に目を向けてみると、その印象は大きく変わる。維持しやすいというだけでなく、普段の足としても使える性能を持っているのだ。デザインにおいてもクラシカルで、何より分かる人に分かるという趣味の醍醐味を感じられるのが、ネオクラシックなドイツ車なのである。

価格の面から見てみると、ヴィンテージ系のドイツ車は安くても300万円以上、プレミア価格で500万円、600万円といったクルマも多い。一方、ネオクラシックは100~200万円と手ごろな価格で取引されており、車種によっては100万円以下で探すことも可能。

普段のメンテナンスにおいては、機関部のパーツは問題なく揃うし、エンジン制御もシンプルな世代。パーツ代も驚くほど高いというわけではなく、角目世代のEクラスと変わらない。定期的な点検と整備は欠かせないが、ヴィンテージ系クラシックに比べれば気を遣う部分は少ないのである。

つまり、現実的にドイツのクラシックカーを購入すると考えた場合に、車両代と保管も含めた維持のしやすさというバランスに優れているのがネオクラシックだと言えるのである。



ここで紹介するのはメルセデス・ベンツSLCクラス。3代目SLクラス(R107)のホイールベースを延長してクーペに仕上げたモデルである。SLはオープントップで2人乗りという趣味のクルマだが、SLCは5人乗りなので実用性が高い。さらにオープントップのSLは幌の扱いや保管に気を遣う必要があるが、クーペボディのSLCなら普通のドイツ車感覚で維持できるのである。また、SLは中古車の数が激減して値上がり傾向。それに比べるとSLCはまだ選べる状況にあり価格も現実的だ。もちろんSLも魅力的な存在であることは確かだが、希少性が高いことと、普段使いができるというテーマで選んだのが、今回のSLCクラスというわけだ。

SLCは1971~81年の10年間で約6万台が生産され、81年の2代目Sクラスクーペ(C126)のデビューにより、フルサイズクーペの座を譲ることになる。

構造的にはSLのホイールベースを延長してクーペにするという強引な印象もあるが、優雅なエクステリアデザインがマニアなファンに支持され、中古車となった現在でも根強い人気を誇っている。

エンジンは全てV8SOHCで、グレードによって排気量やチューニングが異なる。ポイントになるのは80年のマイナーチェンジで、これ以降が後期型となる。エンジンがアルミブロック製となり、エンジン制御もKジェトロニックとなっている。

■GERMAN CARS 2019年8月号 掲載記事より抜粋

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